24人の人格を持つ男ビリー・ミリガンとは!?

解離性同一性障害(多重人格)という精神疾患をご存知でしょうか。今回は24人もの人格を持つ男ビリー・ミリガンいついて深掘りしていきたいと思います。
この事件の始まりはビリー・ミリガンが1977年にオハイオ州立大学のキャンパス内にて3人の女性に対する強姦および強盗の容疑で逮捕されたことから始まります。
その後ビリーは弁護士との打ち合わせの際に「自分はビリーではない、ビリー本人は今眠っている」と弁護士に打ち明けます。ビリーの担当弁護士だったジュディ・スティーヴンスンはその発言を不審に思い、検事や精神科医を呼びビリーの精神鑑定を行います。その結果、彼の中にはビリー本人を含めた23人の人格が存在することが判明します。
1955年2月14日、ビリー・ミリガンはアメリカのマイアミで産まれ、幼児期に父親が自殺しその後義父に育てられます。その後、義父から過酷な身体的虐待や性的虐待を受けて育ちます。この拷問に近い苦しみから逃れるためビリーの幼い心は「これは僕が受けている痛みではない」と強く否定しました。そして自殺を図ろうとするまで追い詰められたビリーの心は分裂し、ビリーの中に別の人格が生まれます。そしてビリーの人格はビリー自身の中でリーダーシップを取る別人格に眠らされてしまいます。
その後ビリーが目覚める度にビリーの周りでは何か悪いことが起きていました。その度にビリーは自傷行為を行い、他の人格に眠らされていました。
その後、犯罪を好む「ケヴィン」の人格が薬局強盗事件を起こして逮捕され、約1年半刑務所に服役する事になります。刑務所のような場所では強いレイゲンが「スポット」と呼ばれる意識を支配する場所に立ち、その人格が表に出てきます。仮釈放になった後は複数の人格が入れ替わる状態が続いていたため、定職について生活を営むことができなかったそうです。
人格「アレン」の証言によると、脳内の「スポット」と呼ばれる一点を中心として各人格が立っており、スポットに立つ人格が意識を持つ。比較的安全である場所では「アーサー」、刑務所内や検事署内などビリーにとって危険である場所では、「レイゲン」がどの人格を「スポット」に立たせるかを決めるという。なお、このとき基本人格ビリーは、目を覚ますと自殺をする恐れがあるため寝かせてあるそうです。
ここからは、ビリーの意識を支配する人格である本人を含めた11人を紹介していきます。また、以下の内容はダニエル・キイスの書籍の内容を簡略化して説明したものです。
ビリー・ミリガン / ウィリアム・スタンリー・ミリガン
核となる主人格ですが他の人格の存在を知らず、知らぬ間に時が経っている事に苦しめられ精神が不安定になる。またそれを苦に飛び降り自殺を図ったため普段は他人格達に眠らされており、他人格達からは口々に「ビリーは目覚めたら自殺するから起こしてはいけない」と言われている。義父が原因で極度の男性恐怖症を患っており、医師などを見ると「父さんに殺されちゃうよ!」と錯乱してしまう。統合人格 教師(後述)によれば、ビリー自身も生まれた人格の一つで、虐待された記憶の管理者であるらしい。長期に渡る治療を受けてからは彼自身がコントロールするようになったため他の人格が出て来る事は無くなったが、コントロールをやめると他の人格に支配されるだろうと言う恐怖にかられていた。また、教師誕生後は「ビリーU」(分裂したビリー)と呼ばれることになる。
アーサー
上流階級のイギリス人。本人によると金縁眼鏡をかけている。他の人格たち全員の存在を最初に発見した人格であり、合理主義者で感情の起伏が薄い。また両手の指先同士を合わせる癖があり、流暢なアラビア語を読み書きできる。独学で物理学と化学を学び、医学書を研究している。知的な話しぶりと真似して話せる物ではない上流階級イギリス訛りによって半信半疑であった判事らにビリーが解離性同一症者であることを確信させた重要な人物の一人。人当たりが良く知識もあるが、自らスポットに立とうとする事はなく、徹底的な保守派で自分は資本主義者で無神論者だとみなしている。しかし危険の無い場所では彼が人格たちのリーダーとなる。また、比較的安全な場所にてスポットを支配しており、誰がスポットに立つのか決めている。好ましくない特色を持つ人格達は例えどんな事があっても一切出て来ないように普段は押さえ込んでいる。
レイゲン・ヴァダスコヴィニチ
憎悪の管理者。ユーゴスラヴィア人である彼の名前は “Rage Again” (再度の憎悪)が由来となっている。ビリーが自殺しようとしたのを止めたのは彼である。本人によると、たくましい腕を持ち、髪は黒、垂れさがった口ひげを生やしている。また色覚異常を持っており、スケッチは白黒で行う。また銃と弾薬の権威で、空手の達人。運動神経がズバ抜けてよく、途方もない怪力の持ち主でアドレナリンの分泌を操ることが可能。さらにアーサーと対をなす人格で、刑務所を含め危険な場所では彼が人格たちのリーダーとなるため、街のならず者たちとの交流も深く、状況によっては暴力による解決を認めているそうです。スラブ訛りの強い英語を話し、セルビア・クロアチア語を読み書き話すことが出来る。また共産主義者だがアーサー同様に無神論者。とても短気で喧嘩っ早いが、その反面他の人格達の保護者的存在であり、一般に女性と子供を守る性格をしている。
アレン
愛想が良い性格で、ビリーの母とは親密である。口先がうまく外部の人間との交渉を担当している。本人によるとIQ120で身長はウィリアムと同じだが、体重は少ない(165ポンド)。髪を右側で分けており、唯一煙草を吸う人格でもある。不可知論者で「この世で人生を最大限に楽しむ」という態度を常にとっている。そのためドラムを叩いたり、肖像画を描いたりなど芸術的な面も持ち合わせている。
トミー
とても短気で喧嘩っ早い縄抜けの名人。ビリーが義父から虐待を受け、縄で縛られた際に誕生した人格。縄だけではなく手錠をも簡単に外す事も出来るため、逮捕されて他の被疑者達と手錠で繋がれて拘置所への移送の際には手錠を簡単に外した。また拘束衣を脱ぐ事も簡単に出来るため、ビリーが手違いによって拘置所で目覚めて自殺未遂をした際に着せられた拘束衣をも簡単に脱いだ。本人によると、髪はマディ・ブロンドで目はアンバー・ブラウン。風景画を描き、電気の知識に長けている。工事現場でアルバイトをした事もあり、機械の補修の仕事に就いた事があり、サキソフォンを吹く。
ダニー
いつも怯えている内気な少年。本人によると、肩までの金髪に青い目で、小柄で痩せている。静物画が得意だが、義父から自分の墓を掘らされ、生き埋めにされた経験のせいで屋外を恐れている。
デイヴィッド
苦痛の管理者。他の人格が受けた苦痛を負う役で何もわからずただ泣く。他の人格から愛されている。IQ80できわめて過敏で知覚力が鋭いが、集中期間が短い。アレンの書いた絵ではおかっぱ頭の幼い少年の姿。本人によると、暗赤色がかった茶色の髪、青い目。身体は小さい。
クリスティーン
イギリス人の少女。肩までの金髪に青い目をしているらしい。学校で隅に立たされるので、「隅の子供」と呼ばれるようになった。人格実父がビリーの目の前で自殺未遂をした際にビリーの中で最初に誕生した人格。失読症だが読むことも活字体で書くことができ、花や蝶の絵を描いて色を塗るのを好む。
クリストファー
髪はクリスティーンに似た茶色っぽい金髪だが、前髪は 彼のほうが短い。従順だが不安を抱えている。コックニー訛りがある。ハーモニカを吹く。
アダラナ
孤独で内向的。本人によると、長い黒髪が筋になって垂れている。眼振があり、茶色の目がときどき左右に動くので「踊る目」を持っていると言われる。レズビアンで詩を書く。また花屋でアルバイトをした事があるが、強姦事件に関与したため後にスポットを追われる。さらに他人格をスポットから外す力があるという。他の人格のために家事を行っている。
教師(Teacher)
裁判で無罪が確定した後、アセンズ精神衛生センターの治療によって誕生した統合人格。聡明で感受性が強くユーモアがある人物で、ほかの人格たちを「わたしがつくったアンドロイド」と呼ぶ。また統合前の全人格の記憶をほぼ完全に覚えている。しかし、周囲・マスコミに追い込まれる中で安定して Teacher が意識を支配するには長い年月がかかった。注意すべきは「統合」と言っても教師が他の人格を制御できるようになっただけで他の人格と完全に融合したわけではなく、アセンズ精神衛生センターでTeacherが実体化する以前は、脳内の精霊のような存在としてアーサーに知識を与え、レイゲンにアドレナリンを制御する方法などを教えていた。彼が誕生してからはビリー以外の人格達を次々と眠りにつかせていき、ビリー以外の人格が表に出て来る事がなくなっていった。
また他の13人、通称「好ましくない者たち」は普段はアーサーによって押さえ込まれているためほとんど出て来る事はないが、不安定な時期があった際だけはアーサーやレイゲンから逃れて人格として表に出てしまい事件を起こしてしまうそうです。またこの13人はビリーがアセンズ精神衛生センターでの治療中、ドクター・デイヴィッド・コールの前で初めて姿をあらわした。
事件後の1978年3月からハーディング病院にてビリーの精神治療が開始され、何とか法廷で証言できる程度に人格を安定したビリーは1978年12月に裁判で無罪を言い渡された。 その後、アセンズ精神衛生センターの精神医学者による本格的な治療が行われた結果、24人目の人格、「Teacher(教師)」と名乗る統合人格が生まれた。精神医学者は、彼が最も本来の人格に適していると結論づけ、彼を本来の人格とした。ただし、この時点でTeacherが完全に意識を支配したわけではなく、ビリーの精神が完全に安定するまで他の人格と意識の交代を繰り返すことになる。
そして1988年、ビリーは退院し、1991年にはオハイオの精神衛生制度と法廷から解放された。その後の2009年12月30日に日本テレビ系列で放送された「ザ!世界仰天ニュース」に初出演し、その際には現在の状況などを語った。
そして2014年12月12日、59歳の時に癌のためオハイオ州コロンバスの病院で死去。
おわりに
今回紹介したビリー以外にも解離性同一性障害で悩まされている人は世界中で確認されています。自分の中に性格や記憶、話し方などが全く異なる人物がいるというのは信じ難い状況ですが、彼らのほとんどは幼いころのトラウマから自信を守るために無意識化で別の人格を作り出してしまいます。しかし必ずしもそれが自身に良い結果をもたらすとは限らないのです。
ビリー・ミリガンについてさらに詳しく知りたい方は、是非NETFLIXで配信されている「ビリー・ミリガン:24人の人格を持つ男」もご覧になってみてください。
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参考
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ビリー・ミリガン – Wikipedia (ビリー・ミリガンの生涯、24の人格、事件の経緯、裁判および治療の歴史に関する解説)
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『24人のビリー・ミリガン』:多重人格の苦闘と再生の全記録 – めぐろ駅東口 メンタルクリニック(書評・解説コラム) (解離性同一性障害の病理、基本人格の役割、幼少期の虐待背景、統合治療「教師」に関する解説)
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『ビリー・ミリガン: 24の人格を持つ男』 – Netflix公式作品ページ (1970年代の事件・裁判・社会の議論を描いたドキュメンタリーシリーズ)
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『実話 – 人格によってIQや訛りまで変わる多重人格者の真実とは | ビリー・ミリガン: 24の人格を持つ男』 – Netflix Japan 公式YouTube (多重人格における知能や言語・訛りの違いなどの特徴を紹介する公式映像解説)